先天性乏毛症とは


先天性乏毛(ぼうもう)症は先天性貧毛症とも言われています。

生まれつき毛(髪)が少ない毛髪疾患です。
縮毛を伴う場合も多いようです。

また、毛量などには個人差があるようです。

 

日本国内では約1万人に1人の頻度で患者がいると推定されています。

現在のところ治療法はありませんが、原因遺伝子によっては、
遠くない将来、薬が開発されるかもしれません。

 

下記のPDFは、冠花の会の仲間のひなたさんが、インターネット上から先天性乏毛症についての資料などを集約して、先天性乏毛症の原因や治療法などを、お子さんでも理解しやすいように、簡単な図解にしてくれました。参考程度にご覧下さい。

現状の詳しい詳細・不明点などは、遺伝子検査をして下さる病院の先生にお尋ね下さい。

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Microsoft Word - 図解!先天性乏毛症とは?.pdf
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山口大学 下村先生からのメッセージ


「先天性縮毛症/乏毛症」という疾患について、皮膚科の先生でもご存じない場合が多々あります。
そんな中、下村先生は数少ない専門医のお一人です。
冠花の会へのご協力をお願いしたところ、快くお引き受けくださり、メッセージをお寄せいただきました。

先天性毛髪疾患でお悩みの患者さんとご家族の皆様へ

皆さま、はじめまして。私は、山口大学の下村 裕と申します。

特に、生まれつきの毛髪の病気(先天性毛髪疾患)の原因解明をテーマに、過去16年間に亘って臨床・研究業務に打ち込んできました。

 

まずは、先天性縮毛症/乏毛症の患者会「冠花の会」が設立されるとお聞きし、とても素晴らしいことだと感じました。

私自身は、これまでに勤務先で多くの患者さんや患者さんの御家族とお会いする機会に恵まれ、本当にありがたいことだと感じております。

もちろん、医師と個々の患者さんのつながりも大切ですが、やはり、患者さん同士でしか理解し合えないこと、相談できないことも沢山あると思います。

冠花の会を通じ、患者さん同士で交流を深め、学校生活や社会生活での悩み事、更にはその克服法などを共有していただければ、より多くの患者さんが明るく前向きに生きていけるのではないかと期待しています。

 

ただ、先天性毛髪疾患は、細かく分類すると100種類以上もあり、それぞれの原因も異なります。

また、原因が未解明の疾患も多数存在します。

つまり、患者会には、さまざまな症状や重症度の患者さんが参加されるのではと予想しています。

研究がかなり進んで治療法が開発されつつある疾患も存在しますが、そのような段階に到達していない疾患のほうが多いのが現状です。

私は田舎の若手医師で偉そうなことを言えるような人間ではありませんが、症状の程度の違いや治療法の有無などに関係なく、すべての会員の皆さまが強い仲間意識を持ち、素晴らしい患者会になるように努めていただければと心から願っております。

私も、微力ながら冠花の会の発展のために貢献したいと考えております。

世の中(特にネット上)には毛髪疾患に関する誤った情報が氾濫していますので、私が知りうる限りの正しい情報を皆さまに御提供いたします。

また、近い将来、会の集まりに参加させていただき、皆さまに直接お会いできる機会を持てれば幸いに思います。

平成28年8月4日

下村 裕

山口大学大学院医学系研究科
皮膚科学講座
教授